観劇記録『MASH UP Ⅱ』
『MASH UP Ⅱ』
林檎の君へ。×More Goofy's
今回、右脳爆発に客演いただいております、銭山伊織さんの出演舞台。
少し前の話になりますが、12/8の最終ステージを観劇してまいりました。
それぞれ30分と70分の短編2本立て。
林檎の君へ。『キツネアザミ』
ある1組の男女の不思議な会話で紡がれる、切なくもやさしい物語。
More Goofy's『グーフィースタンス』
殺人犯となった刑事に面会する弁護士が、事件の真相に迫っていくバリバリのサスペンス。
以下、小学生並の感想文になってしまうことをご了承ください。
面白かった!です。
そして、失礼を承知でいえば、正直驚きました。
チェンジアップを待っていたら、ど真ん中に火の玉ストレートが来て全く手が出なかった。
そんな感じでした。
相対的に言えば「狭い」といって差し支えないだろう空間。その中、ほぼ役者2人の会話のみでストーリーが進んでいく。
このような、ある意味では制限の多い条件下。
これは完全な私見になり恐縮ですが、そこでの勝負ポイントとして目を向けがちなのは、技法の切れ味や、切り口の特殊性である場合が多いような気がします。
球種の多さだったり、回転数だったり、独自のリード理論だったり。
そこに主眼がおかれると、「予告ストレートで豪快な三振を奪いに行く」というようなエンターテイメント性は、最初から諦めているということも起こり得る。
ゆえに事前には、特殊な変化球が来た場合のイメージをしていたのも事実です。
わけのわからない事を言ってしまいました。
が、つまり早い話が、面白かったのです単純に。
一言目を発した時点から一気に惹きこまれる、素晴らしい演技。
あくまでもその力が中心となって、分かりやすくも先の読めないストーリーと世界観が流れるように構築されていく。
ど真ん中ストレート、真っ向勝負の、「演劇」。
まぎれもない上質なエンターテイメントで、とても爽やかな気分で会場を出ることができました。
こういうとき、作り手の意図を考察したり、ましてや論評したり、そういうのが凄く野暮と思ってしまうのです。
「面白かった!」のひとこと、良い意味で、それで済んでしまうような。
改めて演劇の力と可能性を感じさせられた、貴重な体験でした。
そして「お前はいつから直球で三振を取ることを諦めたんだ?」と言われているような、謎の被害妄想が…。
うわあ、頑張ろう。と、思いますね…。
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